仕事柄、キッチングッズはわりと沢山持っているし、
新しい調理器具を使う機会も多いと思う。
最新家電の性能には、いつも驚かされるし、
アドバイザーとして、モニターをしたり、
商品開発に携わったりもする。
そんな中で、
(あまり大きな声ではいえないけど)、
ここ数年で、一番感激した道具。
感激というか、感動に近いと思う。
経済産業大臣指定の伝統工芸士が作る
これこれ
え? おひつ?!
と意外に思われるかもしれませんが、
私も、実はあまり興味がなかった『おひつ』
もちろん、
炊いたご飯をこの中に入れれば美味しくなるんでしょ。
という知識くらいはありましたが、
なんてったって、面倒でしょ、そんなの。
炊き上がったらすぐ食べればいいんだし、
なんで、わざわざご飯を入れ替えるのよ!
洗い物も増えるし!
って思うでしょ!
でも、これが、これが、これが、
本当にご飯が嘘のように美味しくなる!!
もう、今まで日本人として、
おひつを使わなかった自分が恥ずかしいくらい。
これを次世代に伝えないのは、コメ文化と日本の知恵を、
正しく継承しない事と同じだと思う。
湿気を取って、美味しいご飯にするだけじゃなく、
夏でも、2日間くらい、いたまない。
お弁当も、おひつに移してから詰めると安心。
ご飯は、まとめて炊いてチン。の時代ですが、
もし、私に娘がいたら絶対に嫁入り道具に持たせます。
息子でも、持たせたいくらい。
お嫁さんは、物凄く、うっとうしいだろうけど。
何より、こんなに熱く語れる台所用品て、
最近のものには、あまりないなあ。と思うのです。
まだまだ語れます。
私を見かけたら、
「おひつのご飯、どうですか?」
って聞いて下さい。
語り続けます。