昨年、フランスで知り合った、
アメリカ人夫妻が、日本に来るという。
世界中の美味しいものを食べ歩いている彼等は、
日本が大好きで、特に日本の食べ物には
目がないと聞いていたので、
さて、どこにお連れしようかと悩んだ。
天ぷら?鉄板焼き?お寿司?
なんなら、六本木に、店員さんが忍者になって、
サービスしてくれるお店も知ってるけど。
メールで聞くと、こんな返信が。
『是非、是非、行きたいお店がある。20年前に行って
感動した店だ。とてもとても素晴らしい。あまりにも
素晴らしいので、妻との新婚旅行にも訪れた。
期待を裏切らない感動で、日本に行ったら必ず行きたい店だ』
この絶賛ぶり
どこ?どこなの?
ものすごく気になる!
『その素晴らしいお店は新橋にある。
そのレストランの名前は「YUKUNSAKAGURA」という。
あなたは知っているか?』
何?なに?
ゆ・く・ん・さ・か・ぐ・ら?
・・・知らん。聞いたこともない。
とりあえず、ネットで検索。
あった
『有薫酒蔵』
??。。本当にここだろうか?
一応、HPのアドレスを貼り付けて確認すると、
ここで、間違いないという。
週末に、ホテルのロビーで待ち合わせて、
再会を喜びながら、お店へ向かう。
アメリカ人夫妻を大絶賛させるお店がこちら、
『有薫酒蔵』である。
・・・し、渋い
まあ、こういう店だろうと、想像していたけど、
本当に、日本人である私もめったに訪れる事がないような、
男らしい店構えだ。
新橋だし。ビルの地下だし。奥だし。
でも、この THE・日本の居酒屋 という感じが、
きっと、アメリカ人には新鮮だのだろう。
囲炉裏でご満悦
「oh!kibinago!」
と、大喜びな彼等を見ていると、
日本の食材や、調理法が、ちょっぴり誇らしい。
日本語のできない夫妻と、
英語のできない私と、
なぜか、食べ物の話題で、ラストオーダーまで、
大盛り上がり
食は、国境を越え、言葉を越える
そうそう、このお店、
実は、知る人ぞ知る、名店だったらしい。
たまたま、翌日の新聞で、このお店の事が書かれていて、
改めて個性のある店作りと、やり手の女将が紹介されていた。
世界の美味しいものを食べ歩くのが趣味という、
アメリカ人が選んだ日本食は、
新橋にある九州料理の店。
なかなか通である。